ED治療薬は、血流を改善することで勃起をサポートするためのお薬です。
これにより、勃起感覚を取り戻すことで、根本的なED改善にも役立ちます。

ですが、ED治療薬を服用し続けるだけでは、EDの根治はできません。
根治するには体質の改善や、日々のストレスの軽減、性行為の回数を増やすなど、生活習慣の見直しが重要になります。

その中でも、日常的に運動することは、EDの改善には最適です。
適度な運動は勃起障害を生み出すストレスを軽減することにつながるだけでなく、健康的な体そのものを手に入れることにもつながります。

運動不足になることは、血流が滞る原因になります。
勃起障害の原因のひとつに、骨盤内の血行不良があげられています。
ペニスの血流が滞るために、勃起を妨げてしまうのです。

また運動不足は、健康的な精子を生み出す妨げにもなります。
アメリカにあるハーバード公衆衛生大学院のオードリー博士の研究チームは、テレビの視聴時間が長いほど精子の質が悪くなると発表しています。

ここで研究チームは、運動を習慣的に行っている男性は、テレビの視聴時間が長い男性に比べて、精子の数が増えている事を証明しています。

体に悪影響があると考えられている肥満も、やはり性機能にとってよくありません。
運動不足は肥満になるリスクも高めます。

なお、生活習慣病にかかっていない男性であっても、内臓脂肪があることでEDを発症する確率が高くなるという研究発表もあります。

EDを予防するために適度な運動をすることは、肥満を予防し、精子の質を上げ、健康的な体を手に入れるために重要なことです。

しかし、適度な運動は大事なのですが、自転車に乗ることは少々注意が必要なようです。
近年、通勤の際にロードバイクに乗る男性は増えていますね。
これ、もしかしたら性機能障害につながるかもしれません。

スペイン・コルドバ医大のファーモンデ教授は「日常的に長距離のサイクリングをしている男性は不妊リスクが高まる」とする研究結果を発表しています。

この研究では、自転車に長時間乗ると陰嚢の温度を上げ、精子の質を落としてしまうということが発表されています。
ですが、その距離も週300k以上走行している男性とのことなので、自転車を競技とするアスリートでなければ、そこまで気にすることもないかもしれません。

しかし、自転車のサドルの刺激によって、EDになったという症例もあります。
マウンテンバイクなどのオフロードタイプの自転車でジャンプをして、この強い衝撃によって血管が切れ、EDになったとのことです。

近年ブームになっているロードバイクは前傾姿勢を取るものが多く、この姿勢も相まって、ロードバイクによる鼠径部への圧力が強くなっているという指摘があります。
鼠径部にかかる圧力が強くなると、血行を阻害し、この部分の神経や血管が損傷を受ける可能性は非常に高くなります。

EDと自転車の関係性はまだ研究途上で、自転車がEDにもたらす影響はさまざまな見解があるのですが、自転車を長時間使うことには注意した方が賢明かもしれません。

では、どのような運動がED改善に適しているのでしょうか。
肥満を予防し、血流を良くするためには、有酸素運動が効果的です。
有酸素運動とは、長時間継続可能な軽度又は中程度の負荷の運動のことです。

このことについてまとめた研究発表もあります。
ポルトガル・ポルト大学のシルバ博士らのチームがイギリスのスポーツ医学誌「British Journal of Sports Medicine」の2017年1月27日号で発表しています。

この誌上で博士らは、ED改善に効果のあった運動について触れています。
「運動の強度が高いほど、また、長く続けるほど効果が上がった」
と、しており、運動の強度では、中程度から激しい高強度にはっきりとした効果が見られたとしています。

運動強度の測り方はさまざまな方法があり、個人の主観でも「軽い運動」か「キツい運動」かの差もあると思いますが、中程度の有酸素運動というと水泳やジョギングなどがこれに当たります。
エアロバイクも有酸素運動に当てはまるのですが、EDを改善するためにする運動としては、サドルに跨ることに対して前述したようなリスクがあるため、おすすめではありません。

また、中程度以上の運動となると、ウォーキングなどは当てはまりません。
バドミントンなどの瞬発力によって行うスポーツは無酸素運動に分類されます。

有酸素運動は体力がアップして持久力が高まり、基礎代謝を上げることができて脂肪燃焼効率も高まります。
日頃、運動不足を感じている方はぜひ、EDの改善や精子の質を上げるために、積極的に有酸素運動を行ってみるとよいのではないでしょうか。